灘中学校 算数(第1日目) 入試問題 平成24年度 2012年へのコメント しおたに・ドット・チャイナ

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 関西ナンバーワンの名門中学校の平成24年度(2012年)入学試験問題を,初めて解いてみました.中学入試問題というよりも,高校入試と大学入試問題で,なおかつ柔軟な頭でクイズを解くような感じですね.

  新聞に灘中学の入試問題が掲載されていたので,初めて解いてみました.


先入観なく解いてみましたが,全問を60分で解くことには厳しい問題でした.


競争試験なので,むしろ60分では解くことができないような問題数と難易度にして,得点差をつけようとしているのでしょう.


とすると,如何にして自分が解ける問題をすばやく見つけて,確実に解くかが,勝負といったところでしょうか.


でも,どちらにしろ,小学生でこの問題を解くには,進学塾などで特殊な訓練をつまないといけませんね.


解く小学生もすごいですが,こんな問題を考える先生にもあっぱれです.


おそらく,高校入試や大学入試,またそれらのレベルの参考書や問題集から,小学生レベルで解ける問題に変えて出題していると思われます.


しかし,これが解けても実社会には全く役に立たないけど,これを解くために努力したことや,そういう努力をすればできる人を選抜する試験なのでしょう.


小学生の頃の私には到底解けませんでしたけど,今の私には頭を使うクイズとして面白かったです.


では,算数(第1日目)のコメントをします.




問1.一次方程式ですね.



問2.速さv(m/分),距離x(m),時間t(分)の連立方程式の問題です.

   うまくしたもんで,時間tを求めるのに,xとvを直接求めずに,x/vで求めるように小学生用に変更したものです.



問3.場合分けの問題です.

   でも,全部の場合分けを調べると,時間がないので,得点差が4になる組合せを見つけさせています.

   あいこかつ1回で得点差が4の場合,2回で得点差が4の場合を見つける問題です.



問4.場合分けして,カウントする問題です.

   三角形の1辺の長さで場合分けして数えます.(辺の長さ,1,2,3,4,5の場合)

   辺の長さが2のとき,さかさまの三角形を数え忘れないのがミソです.



問5.場合分けと,倍数の問題です.

   3の倍数になるのは,各桁の合計が3の倍数のときなので,これの組合せを場合分けして求めて,先頭が0にならないものを数えます.

   12の倍数は,3の倍数かつ4の倍数のときですので,3の倍数はすでに求めているので,そこから4の倍数をしぼっていきます.

   4の倍数は,下2桁が4の倍数のものです.



問6.数学的帰納法の問題です.

   とてもじゃないけど,いくらそろばんを習っていても,オーバーフローしてしまうほど計算できない問題です.

   3,4個まで計算して,さらに問題にあるように,-1をすると法則が見つけられます.



問7.素因数分解と公倍数の問題です.

   まず,素因数分解して,全行,全列の積を素因数表示します.

   縦のDを含む列がキーとなることに気付いたら,最小の整数D=1,D=2を代入してGを求めます.



問8.三角形の相似と,方程式の問題です.

   三角形の相似で,面積比は辺比の2乗であることから,面積を求めます.

   あとの数は,方程式で求めます.



問9.補助線,三角形の相似の問題です.

   補助線がうまく引けた上で,三角形の相似を数回使って求めます.

   解の一例として.まず,下の三角形で,辺3cmと辺2cmの頂点C,左端頂点D,右端頂点Eとして,Cからの垂線の足をFとする.

   上の三角形で,辺3cmと4cmの頂点Jとする.

   AJの延長とDEの交点をIとし,JからDEへの垂線の足をHとする.

   DCの延長と,BAの延長の交点をGとする.


   外角定理より,∠GCA=∠CED(=∠CAJ)となるので,DG//IA(平行)となる.

   よって,△EJH∽△ECFからJH=1/2となる.

   また,△DCF∽△IJHからIJ=3/4となる.

   さらに,△IJH∽△IABからAB=19/6が求まる.



問10.メネラウスの定理と,補助線,三角形の相似の問題です.

    メネラウスの定理でAFを求めます.

    EからBCへ垂線を下ろした足をIとして,△BEI∽△BAHからEI=16/9を求めます.

    次に,△CGH∽△CEIからGH=1を求め,FG=40/13-1=27/13で求まります.



問11.軌跡の問題です.

    円の中心をOとすると,AOを直径とする円の面積です.

    半径1である4分の1円が4つと,辺2の正方形との面積和です.


問12.立体図形の問題です.

    多い場合はすぐに分かります.

    少ない場合は,前からと,左から見たときに同じ図形であることに注意して,さらに,上からみて正方形なので最後に底面に敷き詰めます.



問13.展開図の問題です.

    はさみで展開図を切り,立体を組み立てると分かりやすいです.




著作権があるため,問題は書いていませんが,コメントだけしておきました.


まさに,頭の体操でした.




 紹介した事項により生じた不都合などには責任は負えませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。