Top > 灘中学校 算数(第2日目) 入試問題 平成24年度 2012年の解き方コメント
平成24年度(2012年)の灘中学校の算数(第2日目)の入学試験問題の解き方についてのコメントです.解答には答えだけでなく,文章や式,図などを書くことを求めていることから,解き方や思考方法の過程なども重視しているようです.
さすが名門中学というか、算数の試験が2日間にわたってあるのですね.
今回は答えだけではなく,解き方の過程も記述するように求めていることから,どのように考えて,問題にアプローチしたかもはかろうとしているようです.
しかし,難しい.これを義務でやらないといけないと思うと,苦痛以外の何物でもありませんね.
まぁ,灘中学を受けるぐらいの小学生は,苦痛と思ってしていないのでしょう.
気分転換がてらに,制限時間をもうけずにする分には,面白い問題ですので,
通勤電車の中で,掲載された新聞を片手に解かれていた方も多かったことでしょう.
では,算数(第2日目)の解き方のコメントをしておきます.
問1.連立一次方程式です.
計算がごちゃごちゃにならないように注意する必要がありますが,さほど難しくありません.
出題者としては,食塩水Bの濃度をb%とすると,b/aで,(1)を先に求めてほしいのでしょう.
それとも,b/aを求めることで,難しく思わせようとしているのでしょう.
でも,(2)の方が先に求まる人も多かったのではないでしょうか.
問2.立体図形と平面図形の問題です.
(1)は,おもしろい問題です.
直角三角形の斜辺のみからなる三角形を,方眼紙に書かせる問題です.
この問題は,(2)で使うためのヒントの問題であり,これはうまくできた問題ですね.
(2)は,(1)の方眼紙から△EMNの面積を方眼紙から求めると,立方体AEMNの堆積を求める方程式で高さは求まります.
(3)は,これまた面白い問題です.
まず,CDHEABの長方形の展開図を書きます.
MNとDHの延長点をPとすると,△ANE∽△HPEに気付いたら,EN=EPとなり,
さらに,∠AEN=∠HEPなので,∠PEN=90°(=∠HEP+∠HEN=∠AEN+∠HEN=90°)なので,
△ENPは∠PEN=90°,EN=EPの直角二等辺三角形となり,∠ENP=45°となる.
よって,x°+y°=∠MNA+∠ANE=∠DNP+∠ANE=180-∠ENP=180-45=135°
問3.連立1次方程式の問題です.
文章が長く,どこに着目するかが肝心です.
満水時の水量をxとすると方程式を立てやすいかもしれません.
そして,半分の水量x/2として,方程式をたてますが,xの項は方程式から消しますので,最後までxを求めることはありません.
半分から0になるまでの時間をtとして,(1)では,A2本B3本で満水から0になるまでで1方程式,半分の水量から0になるまででA2本B3本とA8本B6本で1方程式を作り解きます.
(2)は,満水から半分までの時間をt'として,満水から0まででA8本B6本の方程式から求めます.答えは,t'+tとなります.
問4.場合分けカウントと帰納法の問題です.
1cmずつカウントしていきます.
4,5cmまでカウントすると法則が見つかりますので,あとは計算です.
問5.場合分けカウント,背理法の問題です.
順に,交差点ごとに何通りかを求めていけば,求まります.
紙面を一番割いていますが,もっとも簡単です.
問題自体には,著作権があるため,問題は記載せず,解き方のコメントだけしておきました.
上記の解き方は,私が考えたものであって,新聞には答えしか書いてありませんでしたので,間違っている可能性もあります.
もちろん,もっと簡単な解き方もあると思います.
これまた頭の体操になりました.
紹介した事項により生じた不都合などには責任は負えませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。