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Visual Studio C++ 2010 Express と OpenCVのインストールと環境設定


 C++のIDE(統合開発環境)としてMicrosoftのVisual Studioは有名ですが、フリーのIDEも提供しています。フリーのVisual Studio C++ 2010 Expressのインストール方法を簡単に紹介します。さらに、インテルからはCV(コンピュータ・ビジョン)のライブラリをオープンソースで公開していますので、Windows環境へのインストール方法を紹介し、VC++からOpenCVをWindowsで利用し開発環境を整えることを目標とします。




Visual Studio C++ 2010 Express と OpenCVのインストールと環境設定

Visual C++ 2010 Expressは、MicrosoftのサイトからVC++2010Expressダウンロードできます。

ダウンロード後は、インストーラを起動させて、流れにそってOKボタンで、難なくインストールが完了します。



ただ、インストールしたままの状態では、試用期間を過ぎると使用できなくなりますので、

試用期間の30以内に登録キーの取得を行う必要があります。

「ヘルプ>製品登録」からオンラインで登録キーを取得して、登録キーを入力しておきます。

無料ですので、インストールついでにしておくことをおススメします。



ここまでで、VC++2010Expressが利用できるようになります。

なお、「ツール>設定>上級者用の設定」にしておくと、使用上便利です。

さらに、「ツール>オプション>テキストエディター>C/C++>全般>表示」で、行番号にチェックを入れておきます。

さらに、ツールバーの右端の「ボタンの追加または削除」をクリックして、「カスタマイズ」から

「デバッグなしで開始」ボタンをツールバーの「デバッグ開始」ボタン横に設置すると、使用上便利でしょう。

といっても、ショートカット(F5、Ctr+F5)を使用する場合には不要です。



複雑なシステムを組まずに、一般的な理工系の数値計算のみに使用する場合には、VC++を起動後、

「ファイル>新規作成>プロジェクト>Visual C++ Win32コンソールアプリケーション」で適当な名前を入力し、

アプリケーションの設定で、「コンソールアプリケーション」と、追加のオプションで「空のオブジェクト」を選択します。

プロジェクトが開いた後、「プロジェクト>新しい項目の追加>Visual C++ C++ファイル(.cpp)」を選択することで、

ソースファイルにC++ファイルが作成されますので、後はよくあるように下記のようなHello World!プログラムをコーディングすると良いです。

なお、下記の例のようにC++ではC言語でもビルドできます。

ファイル「HelloWorld.cpp」
#include <stdio.h>

int main(void)
{
printf("Hello World!\n");

return 0;
}




次に、コンピュータ・ビジョンOpenCVのインストールです。

OpenCVは、こちらのサイト(OpenCV)からダウンロードできます。

ここでは、サイト作成時に最新版であったOpenCV-2.3.1-win-superpack.exeをダウンロードしました。



このファイルは自己解凍ファイルですので、ここでは「C:\OpenCV2.3」に設置しました。

なお、Path設定を行う必要がありますので、「マイコンピュータ右クリック>プロパティ>詳細設定>システム環境変数」で、

「Path」に「;c:\OpenCV2.3\bin」を追加して、Windowsを再起動します。



OpenCV2.3をインストールする前に、NVIDIAが提供するGPU向けC言語統合開発環境の

並列計算アーキテクチャであるCUDAをインストールして、GPUを利用して計算処理能力を向上させます。(たぶん。。)

ダウンロードは、CUDAのサイトからできます。

Developer Driversだけでよいと思われますが、CUDA ToolkitとCUDA Tools SDKとGPU Computing SDKもインストールしておきます。

なお、良く分からない方はこれは、飛ばしてもいいです。



ここまできたら、CMakeを使ってOpenCV2.3をビルドします。

CMakeは、CMakeサイトからダウンロードできます。

ここでも最新であった cmake-2.8.5-win32-x86.exe (Windows (Wn32 Installer))をダウンロードしインストールします。

インストール後、CMakeをスタートボタンから「CMake(cmake gui)」を起動します。

「Where is the source code:」と「Where to build the binaries:」に、ともにここでは「C:\OpenCV2.3」を設定し、

「Configure」を押し、「Visual Studio 10」(VS10)を選択します。

CUDAをインストールした場合には、「WITH_CUDA」にチェックが入っていることを確認して、Configureをクリックし、

最後にGenerateボタンをクリックします。


これで、「c:\OpenCV2.3」にOpenCV.slnが作成されましたので、ダブルクリックして、VC++を起動させます。

起動後、「ビルド>構成マネージャ>INSTALL」にチェックを、「Debug」と「Release」ともにいれます。

その後、時間がかかりますが、DebugとReleaseともに「ビルド>ソリューションのビルド」を行います。



作成したOpenCVのdll、lib、hを次のように移動しておきます。

C:\OpenCV2.3\install\bin の全ファイル → C:\OpenCV2.3\bin へ移動
C:\OpenCV2.3\install\include\opencv2 の全ファイル → C:\OpenCV2.3\include\opencv2 へ移動
C:\OpenCV2.3\install\lib の全ファイル → C:\OpenCV2.3\lib へ移動



以上で、VC++2010Expressのインストール、OpenCVのインストールから、VC++で利用するための

環境設定が完成しました。






 紹介した事項により生じた不都合などには責任は負えませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。




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